山菜の中でもダントツの人気を誇る「コシアブラ」。
山菜の楽しみは旬の味覚を食することは勿論ですが、自分で山菜を採ることも楽しみの一つですよね。
私も毎年、木々が芽吹き出す頃合いを見計らってコシアブラを採りに出かけます。
コシアブラの木は至る場所に自生しており、初心者の方でも比較的簡単に採ることが出来る山菜です。
しかし木々が一斉に芽吹き出す頃の木の芽は、みんな似たり寄ったりで山菜初心者にすると、分別が難しいかもしれませんね。
今回は、初心者にわかりやすくコシアブラの木の特徴を画像を用いて紹介します。
また、コシアブラの木の自生しやすい場所の特徴なども一緒にまとめてみましたので、山菜採り初心者の参考になればと思います。
コシアブラの木
まずはコシアブラ入門としまして、コシアブラの詳細を見ていきましょう。
- 和名 コシアブラ
- 別名 ゴンゼツノキ、ゴンゼツ、アブラギ、シラキノメ
- 階級 ウコギ科ウコギ属
- 分類 落葉高木
- 分布 北海道~九州
- 花期 8月~9月
- 形態 5メートル~10メートル以上の大木になる
コシアブラの木は北海道から九州に自生するウコギ科の落葉高木です。
コシアブラは別名ゴンゼツノキ、アブラギ、シラキノメなどと地方によって様々な呼び方があります。
私の住む地域では「シラキノメ」と言われることが多く、実際に私が初めてコシアブラを採りに連れて行って頂いた方からは「シラキノメ」と教えてもらいました。
「シラキノメ」と言われるのは、コシアブラの木の特徴からきているようで、コシアブラの木は樹皮がツルツルとしており、幹が白いことから「ソイラキノメ」と呼ばれているようです。
「漉油(こしあぶら)」と漢字で用いられた説には、コシアブラの樹脂を塗料に使っていたいたとされ、油を漉すことから「漉油」とされたという諸説があります。
また、越後の特産品の油を用いて「越油(こしあぶら)」とされてたと言う諸説があるようです。
コシアブラの木の特徴
コシアブラの木の特徴は、白くてツルツルとした幹です。
コシアブラの木は小さいものだと1メートル以下から、大きくなると10メートル以上にもなります。
山菜採りに山に入った際に、よく目にするコシアブラの木は1メートルから5メートルくらいの比較的小さめの木が目立ちます。
このくらいの大きさのコシアブラの木は、特徴さえ掴んでしまえば簡単に見つけることが出来るようになります。
その特徴が先程も述べた白いツルツルした幹なのです。
1メートルから3メートルくらいの大きさのコシアブラの幹は、枝をかかずにスーっと真っすぐに伸びているのですぐに見分けが付きます。
幹の太さは細いもので小指くらいの太さで、太いものでも親指くらいの太さでしょうか?
こちらがコシアブラの木の画像です。
このスーッと真っすぐに伸びた枝が特徴的で、これは山に入ると良く分かるのですが、他の植物は妙に曲がっていたり、たくさんの枝が四方に伸びていたりしているものが圧倒的に多いです。
ちなみになんですが、、、
ちょっと見えにくいかもしれませんが、コシアブラの木の右下に小さな似たような木が3本ほど生えているのが分かるでしょうか?
葉の茎がやや赤みがかったものです。
こちらは、コシアブラに間違えやすいのですが、ウルシの木になります。
ウルシに触れるとかぶれたりする接触性のアレルギー反応が出る場合がありますので、注意して下さい。
ウルシのアレルギーに弱い人は、ウルシの近くを通っただけでアレルギー反応が出てしまう方もいるようですので、十分に注意して下さいね。
下の画像は先程のコシアブラの木よりも少し大きめです。
5メートルくらいでしょうか?
この大きさになると、先端の枝が分かれてきます。
だんだんに慣れてくると、コシアブラを探す時に白いツルツルした木の幹を探すようにすると、見つけやすくなります。
それほどに、コシアブラの木の特徴は何度も言うようですが、白いツルツルとした幹が肝になってきます。
下の画像で、ツルツルした感じが良く分かるかと思います。
実際にコシアブラの木に触れてみると、つるんとして滑りやすいのがより実感できますよ。
そして、もう一つコシアブラの木の特徴は柔らかいことです。
「しなりやすい」と言うのでしょうか?
幹が柔らかくしなるので、枝の先端のコシアブラの芽を摘み取るときに引き寄せやすいです。
ボキッと折れにくいと言った方が分かりやすいかもしれませんね。
コシアブラの木の特徴を掴んでいただけたでしょうか?
コシアブラの木の特徴さえ覚えてしまえば、簡単にたくさんのコシアブラを採ることが出来るようになりますよ。
コシアブラの自生しやすい場所
コシアブラの分布は北海道から九州まで広く自生しています。
コシアブラが自生しやすい場所を私の経験上から紹介しますね。
コシアブラの木は明るい雑木林や、明るくて小さな杉の木の林などに自生していることが多いです。
大きくて暗い山、特に大きな森林にはほとんど自生はしていないです。
こちらはの画像は、比較的細い杉の林なのですが、杉の木があまり大きくないことと、日差しが入り込んで明るいですよね。
このような場所は自生しやすくて、そして何より周りが杉の木なので、コシアブラの木が目立って見つけやすいメリットがあります。
また、登山道や林道の両脇、人工的に伐採された山なども自生しています。
こちらは、人工的に伐採の行われた山です。
このような場所は、コシアブラの木の他にタラの芽やワラビ、ゼンマイも自生しやすいです。
このような林道の脇もチェックポイントです。
雑木林と杉の木が入り組んだような山も自生しやすい場所です。
コシアブラの木の自生しやすい場所をまとめると、日の当たる明るい場所がポイントとなってきます。
あまり日の当たらない暗い山ではほとんど見ることはないように感じます。
また私がたまたま散策で歩いたた森林浴のできる散策コースに、たくさんのコシアブラの木が自生していました。
ただ、その場所は国有林のため、自生植物の採取は厳重に禁止されていました。
コシアブラの木は至る場所に自生していますので、山菜初心者でも簡単に見つけられるようになりますよ。
コシアブラを採る際の注意点
最後にコシアブラを採る際の注意点をお伝えしておきます。
まずは最初でも述べましたが、コシアブラの木の芽吹きはウルシにとても似ている点です。
もう一度、画像を乗せておきます。
赤く丸で囲んだものはウルシの木です。
コシアブラの芽の茎が茶色いのに対して、ウルシは赤みを帯びています。
葉の状態もギザギザなのがウルシの特徴になりますので気を付けて下さい。
そしてもう一つの注意点です。
コシアブラの木は、先端の部分の頂芽と呼ばれるところが一番美味しいと言われています。
コシアブラの芽を採る時にこの頂芽の部分を採って、他のわき芽は採らずに残しておくことが重要なんです。
下の画像は、二つのコシアブラの芽が出ていますね。
この先端の芽は採ってもいいのですが、上から2番目の芽は残す部分です。
コシアブラの芽を全部採ってしまうと枯れてしまうので、わき芽は残すように心がけることで、翌年も楽しめます。
これは山菜を採るマナーとして覚えて頂けたらと思います。
まとめ
コシアブラの木の特徴と自生しやすい場所についてまとめてみました。
少しでも多くの方に山菜採りの楽しみが広がりますように、、、、。
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