毎年6月の梅仕事がとても楽しみの一つです。
みなさんはどんな梅干しが好きですか?
私の好きな梅干しは農家のおばあちゃんが漬けるような、昔ながらのシソを使って漬ける真っ赤な梅干しが好きです。
シソを使って赤く漬ける梅干しですが、なかなか赤く漬からないという声も聞かれます。
そもそも梅干し漬け方は、カビや塩の加減など色々と難しく感じてしまいますよね。
しかし農家のおばあちゃんは毎年、大量の梅干しを上手に漬けています。
私もここ数年、シソを使って真っ赤に漬ける梅干し作りの腕がかなり上がりましたよ。
今回は農家のおばあちゃんから伝授した、シソを使って真っ赤に漬ける梅干しの漬け方を紹介します。
梅干しの漬け方
ますは、梅干しの漬け方の一連の流れをつかんでおきましょう。
- 6月下旬頃 塩漬け(下漬け)
- 7月初旬~中旬 シソを入れる(本漬け)
- 7月下旬 土用干し
また基本的な梅干しを漬ける時の分量です。
漬けやすい梅2キロに対しての分量をまとめました。
- 梅 2キロ
- 焼酎 適量(消毒用)
- あら塩 400g(梅の20パーセント)
- 赤しそ 400g(梅の重さの20パーセント)
- あら塩(シソ用) 80g(シソの重さの20パーセント)
- お酢または白梅酢 1カップ
塩の分量に関しては、減塩で梅の分量の8パーセント~15パーセントで漬ける方法もありますが、あまり減塩しすぎるとカビやすいため20パーセントの割合で漬けています。
その方が日持ちもしやすいですし、日数を重ねるごとに梅干しの塩のカドがとれてまろやかになり、しょっぱさもそれほど気になりません。
どうしても減塩で漬けたい時は、冷蔵庫で保存すれば減塩でもカビる心配はありませんので参考までに。
梅干しの下漬けの手順
それでは、梅干しの下漬けから順を追っていきましょう。
今年、私が漬けた梅は7キロです。
梅7キロに対して塩は20パーセントの1・4キロを使用しました。
1・梅は黄色く熟したものを用意します。
黄色に熟した梅の香りが好きです。
甘づっぱいようなプラムに似た香りがなんとも言えません。
スーパーなどで青梅しか手に入らなかった時は、2・3日おくと自然に黄色く熟します。
2・梅をざっと洗って一晩水につけてアクを抜きます。
3・一晩水につけてアク抜きをした梅を、布きんで丁寧に水分を拭き取って、竹串でヘタを取っていきます。
※7キロもの梅を一粒一粒、ヘタをとるのは大変な作業になるので、私はかなり手抜きをします。
全体的にザっと傷物をよけて、ヘタも目立ったところだけ取り除いています。
布きんで一粒づつ綺麗に水分を拭きとる作業もはしょっています。
ざるで水切りをしっかりするくらいです。
4・いよいよ下漬けです。
梅を漬ける容器に焼酎を全体にまぶして消毒をします。
5・梅に分量の塩をまぶして全体に行きわたるようにザっと混ぜます。
こうしてみるとかなりの塩の量ですね。
料理家の先生たちのレシピだと、梅と塩を交互に入れていく方法が一般的になっているようですね。
農家のおばあちゃんの漬け方は、梅と塩を交互に重ねることはせずに、全体に塩が行きわたるように混ぜ合わせてしまいます。
その方が、梅酢が上がりやすいように感じます。
また私はプラスチックの大き目の樽を用意したのですが、衛生的にいいかなと思い梅を直接樽に入れずに大きなビニール袋を2枚重ねてその中に入れました。
私に梅の漬け方を教えてくれたおばあちゃんもこの方法をとっているのですが、、、、。
実は、この方法で梅を漬けると梅酢が上がってきた時に、自然にビニール袋から梅酢が漏れてしまう現象がおこります。
これは、ビニール袋に穴が開いているわけではないのですが、何故か梅酢が徐々に漏れてしまうのは自然なことのようです。
農家のおばあちゃん先生も、ビニール袋から自然に梅酢が漏れてしまうそう。
これは、梅干しを漬ける場合に限らず、たくあんを漬ける場合もビニール袋を使用するのですが、この場合も大根から出る水分がビニール袋から漏れてしまう現象が起こります。
ビニール袋のつなぎ目のような部分から自然に漏れてしまうようです。
5・梅全体に塩を混ぜ込んだら押し蓋をして重石を乗せて涼しくて暗いような場所に置きます。
押し蓋がない場合は、お皿やラップを押し蓋の代わりにするといいですよ。
6・2・3日すると梅酢が上がってきます。
梅全体に梅酢がかぶるくらいにひたひたに上がってきたら、重石を軽くするかまたは重石を取ってしまいます。
そのまま本漬けまで置いておきます。
時々、白いカビが出ていないかチェックもお忘れなく!
万が一、白いカビが浮かんでいたらお玉などでそっと取り除いておきましょう。
梅干しの本漬け
それでは、いよいよシソを使って梅の本漬けに入ります。
1・シソは枝から葉をもぎ取ってはずしていき、きれいに水洗いします。
2・シソの20パーセントの分量の塩を3回分に分けて揉んでいきます。
いかにもアクの強そうな汁が出ます。
ここはしっかりと揉んでアクを出します。
ある程度、アクが出てきたら奇麗な水で洗い流します。
綺麗な水で洗い流したら、しっかりと水気を切ります。
そして、またシソを揉んでいきます。
この作業を3回ほど繰り返します。
3・3回ほど繰り返してしっかりとシソのアクを抜いたら、最後の仕上げに入ります。
ここは、かなり重要なポイントとなりますよ。
仕上げのシソ揉みに、お酢また下漬けの時に出た梅酢をカップ1杯加えます。
お酢や梅酢を加えてシソを揉むことで、梅が赤く漬かりやすくなります。
これは化学反応によるものなのですが、、、。
リトマス試験紙を思い浮かべるとなるほど~と実感です。
私は理化はとても苦手な分野だったため、詳しくは説明できませんが、化学反応を利用することで、梅を赤く漬けやすくすると思っていいのではないでしょうか?
お酢を加えた瞬間にシソの揉み汁が奇麗な濃いピンク色に変わっていきます。
梅干しをシソで赤く漬けたいときに、なかなか赤く漬からないという場合は、シソも揉む最後の段階でお酢または梅酢を加えて揉むことで、赤く漬かりやすくなります。
また、この場合の重石を軽めにすることもポイントです。
梅酢が梅とシソ全体がひたひたにかぶるようになったら、重石は取り除いていいと思って下さい。
あまり、重石で押されるとシソ汁が梅に行きわたらなくなってしまい、その結果赤く染まらないということに繋がります。
4・お酢を加えて更にしっかりとシソをもみ込んだら、いよいよ最後の仕上げの段階です。
下漬けした梅にシソを入れていきます。
シソと梅がうまく重なるようにして加えていきます。
5・梅とシソが空気に触れないように押し蓋をして軽く重石も押せて、本漬けの完了です。
押し蓋をする場合は、梅とシソが空気に触れないように、ビニール袋やラップなどで塞いでしまうと良いですよ。
この状態のまま7月下旬の土用干しまで待ちます。
梅の土用干しですが、必須ではないです。
干さない梅干しが好きな方は、そのまま干さずに保存しておいても何ら問題はありません。
私は干した梅も、干さない梅もどちらも好きです。
土用に太陽の光をたっぷりと当てた梅干しは、干した時の独特の香りが何とも言えず好きです。
また、干さずにシソに漬けたままの梅もそれはそれで、紫蘇の香りと風味がして好きです。
ただ、干さない場合は冷蔵庫で保存しないと、シソの風味を損なわずに長期間に渡っての保管するのは難しのかな?と思います。
干してしまえば、常温で何年でも保存可能な点は、メリットでもありますね。
ちなみに、こちらは昨年漬けた梅干しですが干さずにシソの中に漬けこんだままにしていたものです。
保管は冷蔵庫の中です。
赤シソの風味がして白いご飯にとても合います。
梅干しの土用干しのやり方
早速、梅干しを天日干ししました。
まずは一日目。
梅は、7月下旬の土用に三日三晩干すといいと言われています。
最後の三日目は、夜露に当てるといいとも言われていますね。
しかし、ここ数年の猛暑では三日三晩も干したら、梅干しが干からびてしまいそうな感じですが。。。
天日干し2日目の状態がこちら。
これ以上干したらカラカラになてしまいそうな気がしたので、今回は2日で天日干し完了とすることにしました。
梅の状態を見ながら、天日干しの日数を変更してもいいと思います。
ここはみなさんの独自の判断で良いのではないかな?と思ってます。
また、梅干しを干すのは土用の時期だけではありません。
晴天の続くような時を見計らって干せばいいのです。
土用の時期を見逃してしまった場合など、秋の晴天の続きそうな時でも大丈夫なんですよ。
こちらは、2年前に漬けた梅を干したものです。
干した梅干しは、瓶などに入れて常温保存します。
この場合は、干した梅干しを一粒づつ焼酎にくぐらせてから保存することで、まったりすることと、カビない効果があります。
こちらが今年の梅干しです。
このまま瓶に入れて常温保存で保存します。
まとめ
梅干しのシソを使って真っ赤に漬ける農家のおばあちゃんの漬け方をまとめました。
上手くいかないことも、試行錯誤しながら漬けてみるのも一つの経験です。
また、色々とアレンジしながら自分流に梅干しを漬ける楽しみもいいと思います。
みなさんはどんな梅干しを漬けるのでしょうか?
少しでもみなさんの参考になればと幸いです。
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